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【峰岸ひろみ】
七月の悲歌(エレジー)が聞こえる/峰岸ひろみ サン出版 ジョイコミックス『ラブ・ハンター』収録
60年代末期から、各誌・各ジャンルでストーリーを問わず(ホメ言葉です)男色関係を描いてこられたこの道のパイオニア、峰岸ひろみ先生。
しかし、それらの作品の殆どは単行本にまとめられる事もなく、
漫画史の闇(オーバーな)に紛れているのです。そんな中、男色を前面に出した作品で唯一、単行本に収録されているのがこの作品。
撮影で訪れたパリにて、美貌の男娼ジルと出会った日本人カメラマン彬と、その親友のトライアングル因縁劇。
22ページの短編ですが、掲載誌が旧JUNEの最終号というのもあってか、79年当時にしては赤裸々なベッドシーンと、
その後に待つ衝撃のラストが印象的。
この後先生は「JUNE」ではなく「さぶ」の方に活躍の場を移されるのですが、それも納得のラストです。
いや、私はこの結末好きなんですが!(ホントよ)何より、峰岸先生の描く男性像が、
ややアメコミチックながら、筋肉もしっかりあって色っぽいのです。
「バーミリオン・サンセット」峰岸ひろみ(単行本未収録)
2020年、全面核戦争で惑星“E”が滅んだのち、火星に移住して生き残った人間は、
それでもなお東側と西側に分かれて、強い兵器を開発し、戦争を続けていた。
西側の天才科学者ザハロフは、最強の人間型兵器AM7を開発するが、彼とAM7の間には、
ただの科学者とロボットの間にはない心の感応があった。ザハロフが夢見る“E”の風景をそっくり見ることのできるAM7。
その関係は、ザハロフの妻や周囲の人間を巻き込んで、やがて…。
という内容の、峰岸ひろみが80年代初頭に発表した本格SF作品。
残念ながら、これも専門誌「少年少女SFマンガ大全集」に掲載されたきり、単行本化はされていないようだが、
無敵の兵器ながら美男子(しかも常に全裸)のAM7の、アメコミからの影響も伺える肉体美がセクシーで、
彼とザハロフ博士との絆はもちろん、長官やライバル学者など、
数少ないながら登場する男たちの言動がバイセクシュアル的なのも何気に色っぽい。
同じく峰岸ひろみ名義で発表された「週刊セブンティーン」時代の「仲間たち」、「ファニー」時代の「十字路」
「アレキサンドリア四重奏〈カルテット〉」「ダーク・カーニバル」などの、ゲイテイスト漂う作品群とともに、ぜひ復刻してほしいところ。
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